「涙が出そうになると我慢してしまう」
「泣きたいのに泣けない」
「弱みを見せるのが怖い」

直接このテーマのご相談をいただくことはあまりありませんが
実は、お話を伺う中で、このような言葉を聞くことがよくあります。

つまり、「泣くのはダメ」という思い込みは
自分の感情を抑えることになり
それが、様々な生きづらさにつながっているのです。

この背景には、幼少期の経験や、身につけてきた価値観が深く関係しています。

今日は、「泣くのはダメ」と思い込んだ理由と、その癒し方について書いてみますね。

なぜ「泣くのはダメ」と思い込んでしまうのか?

1.泣くと怒られた経験

幼い頃、泣いたときに親に
「泣くな!」「うるさい!」
「そんなことで泣くなんて情けない」
と叱られた経験があると
“泣く=悪いこと” と強く刷り込まれます。

本当は助けてほしかっただけなのに、、、
本当はわかって欲しかっただけなのに、、、
「泣くと嫌われる」
「泣くと迷惑をかける」という誤解が心に残ります。

2.親を困らせたくなかった

もともと敏感な性質の子どもや
親の精神や家庭内の雰囲気が不安定だと
常に親の表情や機嫌を読み取るようになります。

・忙しそう
・疲れている
・イライラしている

そんな親の様子を見て
「泣いたらもっと負担になる」
「私が我慢すればいい」
と、無意識に親の機嫌を優先し、自分の感情を封じ込める癖がつきます。

3.泣くことは恥ずかしいという価値観

家庭・学校・社会の中で
「お兄ちゃん/お姉ちゃんなんだから泣かない」
「泣くのは弱い人」
「泣くなんて恥ずかしい」
「大人になったら泣かないもの」
という価値観やメッセージを受け取ることがあります。

すると、本来は自然な感情である「泣く」ことや「涙」まで
コントロールすべきものとして扱うようになります。

「泣かずに頑張ることこそ格好いい!」
「表では涙は見せないのが大人だ」などと思い込んでいる人もいますね。

泣けなくなると、心はどうなる?

泣くことは自然な感情表現であり、心の調整機能のひとつです。

それを長年抑え続けると、、、

・感情が鈍くなる
・我慢癖が強くなる
・突然、爆発したように涙が止まらなくなる
・人間関係で距離感が難しくなる

などの影響が出ることがあります。

泣くことを禁止してきた人ほど、
他人優先で、ずっと一人で頑張ってきた人でもあります。

あなたも、「泣くのはダメ」と思っているなら
心は麻痺しかけていたり、すり切れ寸前ではありませんか?

解決のカギは、、、?

「泣くのはダメ」という思い込みは、
自分なりの価値観や考え方のクセではありますが

その奥には
●幼少期に満たされなかった気持ち
●理解されなかった痛みや怒り
●助けてもらえなかった不安や悲しみ

など傷つきや、未完了の感情・感覚が今も横たわっています。

まずは、その傷つきに気づき、丁寧に癒やすことが大切です。

そして
「泣いてもいい」
「あのときの私は助けてほしかった」
「泣くのは自分の自然な感情表現」と理解し直すことが大切です。

心が癒えて、安心感が育っていくと
涙は「悪いもの」「恥ずかしいもの」ではなく
自分を守る自然な反応だと感じられるようになります。

泣くことは弱さやダメなことではありません。
むしろ、心が健全に機能しているサインでもあります。

泣くとスッキリするというデトックス効果を感じたことがある人も多いのでは?

もし今、涙を我慢する癖がしんどさにつながっているなら
心の傷を見つめ直すことから一緒に始めてみませんか?

では、また。