今日のテーマは、親子の「離れられない、離れたくない」問題です。
【福岡・北九州】の心理セラピスト待鳥智美(まちどりともみ)です。
人が怖い/人付き合いが苦手/親子問題/子育ての悩み/愛着障害/共依存など人間関係の悩みを心理セラピーで解決しています。
子離れ、親離れできない
子育てで悩む人や、ママ友から
同じ話を聞くことがあります。
それは
「子どもが成長していくのがさみしい」
「ずっと近くにいて欲しい」
「いつまでも面倒みていたい」
「子どもに彼女(彼氏)が出来るのがイヤだ」
「大きくなってきてかわいくなくなってきた」
など、子どものお世話を生きがいにして
子どもの成長や自立を寂しがったり
嫌がったりする声です。
表面的には
「体ばっかり大きくなって、ちっとも自分のことをちゃんとしない」
「いつまで親にあれこれやってもらってるの?!」など
自立しない子どもに文句を言ったり
面倒くさいと言いながら
心の奥では、「自分から離れないで欲しい」と
思っている人も多いものです。
(無自覚の場合も多いですけどね)
子どもの方も
何にでも口出しする親をウザいと面倒くさがり
自立を阻む親に怒りながら
内心では
ずっとお世話はして欲しい
お金は出して欲しい と
親から離れないことをヨシとしている子も多いです。
このように、意識的でも無意識でも
子どもの自立を阻む子離れできない親
自立を渋る親離れできない子ども
がとても多くいます。
どちらも「自立できない」問題ですね。
自立できない問題
これは、ときどき見聞きする
日本全体が成熟した大人の社会では無く
子どもっぽい人が増えたという
「日本総子ども化」
いくつになっても実家住まいで年老いた親に
面倒をみてもらう
「8050」「9060」問題や
「大人のひきこもり」
「子ども部屋おじさん(おばさん)」
という言葉につながっていると思います。
このような「離れられない、離れたくない」
「自立できない」問題には
親の心理的問題が大きな原因としてあります。
それは
親自身が、基本的安心感が無く
自分を生きていなくて、不安が大きい
ということです。
子どもの面倒をみたり
子どもにかかりっきりになることで
◎自分の存在意義を感じられる
◎ひとりぼっちのさみしさを感じなくていい
◎子どもを支配できる
◎向き合いたくない問題(夫婦問題、両親との問題など)から目を背けられる
◎老後の面倒を子どもに見てもらえる
◎世間や親に「いい親」を認めてもらえる など
無価値感、罪悪感、孤独感、自己否定など不安や恐怖を避けて
安心を得続けたいので
子どもから離れるのを怖れています。
特に
孤独の恐怖が強く
自立することは孤独になること と思い込みがある人が多いなと感じています。
このように不安な親は
子どもを自分の思い通りにしてそばに置くことが安心できる方法と信じているので
ありのままの子どもを無条件で愛したり受け入れること無く
否定したり拒絶したりします。
すると
子どもは自分を押し殺して
親が求める子どもであろうとしてしまいます。
こうして
親子共依存関係が築かれていきます。
表面的には、「仲良し親子」であっても
実は、子どもが無意識に自分を押し殺すことで
「仲良し」が成り立っていることも多く
この場合、子どもが成長して、問題が表面化することがあります。
共依存の問題とは?
共依存関係のまま、自立しなくても
不安が埋め合えるのだから
何の問題もなく生きているのだから、それでいい、と
思うかもしれません。
けれど
実際は、問題が無いことはありません。
共依存関係は
無理や我慢の上に、依存と支配を繰り返しながら
お互いを利用し合う歪んだ関係です。
このような凸凹の関わりでは
お互いを強く求め合うこともありますが
常に、どちらにも、不安や怒り・不満が無くなることはありません。
そして
親子共依存関係は、次の世代、その次の世代へと
つながって行きます(世代間連鎖)。
自分を押し殺して育った子どももまた
不安定な愛着で基本的安心感を得られず
自立が難しいまま、大人になり、親となるからです。
このような関係は、いい関係と言えるでしょうか?
いつまでも続けたいと思いますか?
そもそも
基本的安心感が無いということは
親子関係の問題に限らず
いつも不安やストレスにさらされ続ける生きづらさがあることや
子育てでの「離れられない、離れたくない」だけで無く
人への恐怖感や、人とのいい距離感がわからないなど
周りの人たちとうまく関われない人間関係の悩みを抱えているはずです。
基本的安心感を育てていこう
基本的安心感とは
幼少期に親とつながる絆=「愛着」がしっかりと安定して
築かれることで得られます。
親の不安定な関わりや不適切な養育の下では
不安定な愛着形成となってしまいます。
「離れられない、離れたくない」問題を始めとして
・自分がわからない
・不安が大きい
・人との距離感がわからない
・人とうまく関われない などがある場合は
自分の中に「愛着の傷つき」があり、「不安定な愛着」で
基本的安心感が乏しいのかもしれません。
心理セラピーで、適切に傷付きの手当てをし
愛着を築き直していくことで
これらの問題が、自然に薄くなっていくことはとても多いです。
この過程は
自分を育て直す と言えると思います。
多くのクライアントさん達と接してきて
時間がかかることは多いのですが
いつからでも自分を育て直すことは出来ると感じています。
自分の中に安心感を育てていくことで
生きることが随分楽になっていきますよ。
あなたも
自分を育て直し、自立へ向かってみませんか?
自分ひとりでは難しいかもしれませんが
お手伝い、後押しはできますので
ぜひ、ご相談くださいね。
では、また。
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