こんにちは。
福岡・北九州のリトリーブサイコセラピスト待鳥智美(まちどりともみ)です。

九州地方はまだまだ、雨となっています。
総降水量もかなり増えていますので、最新の気象情報や避難情報に中止して、命を守る行動を取れるようにしておきたいですね。
被害がひどくならないことを祈るばかりです。

 

さて、東京で3歳の女の子が衰弱死するという、痛ましいニュースがありました。

報道で、虐待(ネグレクト)という事件の詳細や、この母親自身も幼少期親からの虐待を受けていたなど背景もわかってきました。

虐待の連鎖が起こる可能性は高いと言われています。

 

このような事件が起こる度に、SNSでは、いろいろな書き込みが見られます。

当事者の親としての責任がなさ過ぎだ!ひどい人間だ!などと人格を否定するように激しく怒りをぶつける人がいます。
当事者も親からの虐待を受けてたと報道されれば、やっぱりと納得して、さらにその親も責めるとか、、、

これらの人は、まるで正義の味方のように「自分こそが正義なんだ。悪いやつを懲らしめる」と人を責めることで、その実はただ自分が日常感じている怒りやうっぷんを晴らして、快楽を感じているのです。
このような人達がいくら親を責めても、虐待が無くなる方へは進まないと思います。

また、まだ子どもを持たない人達の「自分は子どもをかわいいと思えない…、虐待をしてしまいそうだから…、子どもを責任を持って育てられない…だから子どもは持たない」という書き込みも見られます。
これは、自分でこの先の自分の自由な選択肢を減らしていることと思えて、残念に感じます。

 

虐待をする親の責任の無さを責めるだけでは、虐待は減らないでしょう。

虐待への厳罰化や公的支援の充実が、抑止力や助けられる人が増えることでの減少はあるでしょうが、私は、虐待を起こさないという根本解決へは、それらと同時に、親自身へのアプローチが必要だと思います。

 

実際に「自分で自分が止められず虐待をしてしまう、けどやめたい」「自分の行いは虐待じゃないのか?」「このままだと虐待をしてしまう」と悩んだり不安を抱える人達がいます。

「つい怒鳴ってしまう」「自分ではどうしようもない」「自分も虐待されてたから」
子どもを前にして、悩みながらも、あきらめたり、自分を責めているだけでは、虐待が無くなる方へ解決しません。

 

けれど、
悩み不安を抱える人達自身が、「つい」や「どうしようもない」が起こる原因を知り、自分を見つめ直すことで、「虐待の連鎖を断ち切る」「もっといい親子の関わり」という解決へ向かうことができると感じています。

また、子どもを持つかどうかというこれからの自分の選択肢や可能性を、「虐待をしてしまいそうだから」という理由で狭める必要もなくなるでしょう。

 

今回は、「自分で自分が止められず虐待をしてしまう、けどやめたい」「自分の行いは虐待じゃないのか?」「このままだと虐待をしてしまう」と不安を抱え悩んでいる方に向けて、虐待をする親自身にフォーカスを当てて、虐待の連鎖についてお話しします。

 

虐待が連鎖する理由

まず、虐待は犯罪です。
子どもへの影響、親子の絆を考えただけでも、どんな理由があったとしても、許されることでは無いと強く思います。
虐待には、身体的、精神的、性的、ネグレクトはもちろん、面前DV、暴言や脅しももちろん含まれます。

虐待に対する法整備や厳罰化は、抑止力にはなるでしょう。
公的支援の充実は、支えてもらうことで助かる人が増えるし、必要なことだと思います。

けれど、虐待をする人は、隠したり、誤魔化そうとしたり、支援者との関わりを拒否して孤立しがち、虐待を繰り返してしまうということも事実としてあるので、それだけでは根本の解決になりにくいのではないかと思います。

 

虐待をする親は、ストレスや不安を抱えやすい面や人との関わりが希薄だったり不安定であること、また、自分が子どもの頃、親からの虐待を受けていたことが多いと報告されています。

この理由を見ていくことが、解決への道筋へとなると思います。

子どもは、頼る人がいなければ生きることができません。
一番最初に近く深く頼りたい人が、「親」という存在です。

自分にとって大切な存在で、自分を大切にして欲しいと願う親から
子どもが、自分が望むままに
大切にしてもらえなかった
愛してもらえなかった
安心をもらえなかった

それどころか、
理由もきっかけもわからず虐待されたら、、、、

虐待は、子どもの脳・身体・心・愛着に傷を付けます。
幼い頃の虐待による傷・トラウマが、適切にケアされることがなく大人になって、子どもを持つ親となった今も生々しく残っているのです。

虐待の傷が残る影響

虐待の傷は、次のように無意識下にも表面にも影響します。

●自分は大切で愛される存在だという自己存在価値や自己重要感や自己愛が育たない
●親を安心して頼れる安全基地とすることができず、人とつながる絆である愛着形成が不安定
●自分の欲求や、悲しみ、さみしさ、怒りなどの感情も出すことができず、抑圧し続ける
●理不尽な状況を何とか納得するために、歪んだ状況判断をする思考パターンになる
●自分の自由に表現することを止められていたので、自分に責任を持つということがわからない
●不安やストレスを感じやすく、処理し難いため、パニックを起こしやすい
●親の生き方をモデルとして取り込む

 

傷が癒されず、未完了、不全感が強いことが、
「自分がいい親だと見られたい」
「頑張ってると認めて欲しい」
「恥をかきたくない」
「自分だけが自由にしたい」
「自分が愛されたい」
「自分を肯定したい」など、
大人だけど子どものような部分が多く
子どもを、自分の欲求を満たす、だめな部分を隠す、感情のはけ口するための道具のように位置づけするのです。

どうして私が我慢してやってたのに、お前はちゃんとできないんだ!
私が甘えたくても甘えられなかったのに、お前が甘えてくるな!
(親に言われた通りにしてきた)私の言うことが正しいんだ!私は間違ってない!
愛しているから怒るんだ!
私はこんなに大変なんだ!どうしてわからない!?

私に恥をかかせるな!

まとめ

「自分で自分が止められず虐待をしてしまう、けど、やめたい」
「ついやってしまう自分の行いは虐待じゃないのか?」
「このままだと虐待をしてしまう」
「自分も虐待されてたから自分の子どもにも…?」と悩んだり不安を抱えてませんか?

それは、自分の中に幼い頃の傷が今もまだ残っていることが、大きく影響しているのかもしれません。

自分と親の関わりを見つめ直すことから
自分にある傷やトラウマを癒すことや、これから不足を満たしていくことや、安定させることができます。

これからの自分自身と、自分と子どもの関わりのために、自分ができることがあります。

自分の子どもとの関わり方に悩んだり不安に思う人こそが、虐待の連鎖を切ることができる人です。

過去の自分と親の関わりを見つめ直すことは、一人では難しいかもしれません。
リトリーブサイコセラピーでは、これからの自分のために、丁寧に過去を扱い、癒やしや再形成を促していきます。

そうすることで、傷ついた子どもの状態から、少しずつ成長していくことができます。

悩みが深まったり、あきらめたりする前に、ぜひご相談くださいね。

 

では、また~。