「私、まだ全然ダメだ…」そう感じる日が続いていませんか?

 

「もっとちゃんとしなきゃ」 「私が頑張らないと」
そう思って毎日走り続けているけれど、ふと気づくと、ため息ばかり。

頑張っているつもりなのに、
思うように家事も育児もこなせず、
「こんなはずじゃなかった」と自分を責めてしまう——

今日はそんな40代女性の相談者・Aさんのお話を通して、
私たちが無意識に持ってしまっている「見えない基準」についてお伝えします。

それは、心の深いところにある “母親と自分との境界線” や”自己肯定感の低さ”に関係しているのです。

 

今日は、家事/育児に頑張り過ぎて疲れてしまった相談者Aさんの話から
無意識に自分が頭の中で描くモデルの通りにしようとしてしまう
心理について書いてみますね。

お母さんみたいに出来ない私はダメ

Aさんは40代、夫と幼い子どもとの3人暮らしで、パートとして働いています。

家事も育児も頑張っているのに、
・予定通りにこなせない
・仕事の覚えも悪い
・子どもにも余裕を持って接することができない

そんな自分を「ダメだ」と責めていました。

でもAさんが本当に苦しかったのは、
「自分がダメだ」と思い込ませてしまう、心の中の“基準” があるからでした。

それは、「母親のようにできなければいけない」という思い込み。

Aさんは無意識のうちに、自分の母親の姿を「正解」モデルとして
自分の中に取り込み(同一化)、自分の行動を評価していたのです。

 

幼い頃から“母親優先”で生きていると…

Aさんの幼少期の家庭は、忙しい父と専業主婦の母、そして母方祖母の4人暮らしでした。

母親は家事も育児も完璧にこなすタイプでしたが、いつも大変そうで、
感情の起伏も激しく、Aさんにヒステリックに怒ることが度々ありました。

そんな母親のそばに居て、Aさんはこう思うようになりました。

  • 自分は役立たずでダメな人間だ
  • 自分の気持ちは我慢しよう
  • いい子でいよう
  • お母さんの愚痴の聞き役になろう

いつの間にか、母の機嫌をいつも気にして、自分よりも母親を優先し
「お母さんのために生きる」ことがAさんにとっての“安心”になっていったのです。

こうして母親と運命共同体のように育ったAさんは
母親との境界線が曖昧で、自分に自信が持てないまま大人になっていきました。

 

端から見れば(Aさん自身も思っていたようですが)
仲良し親子です。
「一卵性親子」なんて言葉もありますね。

ですが
Aさんのように、母親とは無境界で「母親=私」の感覚で
自分の気持ち、意思がなく
「母親」が自分の思考や行動の判断基準ということは
大人になって、大きな問題となっていきます。

「母=私」という生き方の限界

Aさんは大人になってからも、
「母親ならこうするはず」
「妻として、母として、こうであるべき」
という価値観をずっと持ち続けていました。

そして、頭の中の母親と自分を比べては
「自分はダメだ。もっと頑張らなくちゃ!」と思っていました。

でもそれは、“今のAさん自身”の気持ちや状況とは合っていない価値観 だったのです。

  • 自分が本当にやりたいことなのか

  • 今の自分に合っているのか

  • 誰のために頑張っているのか

そうやって自分に問いかけることはなく、
ただ「母親のお手本通りにできない自分」を責めてしまう——

実はこの背景には、「自己否定」や「母子共依存」という心理的な関係性が隠れていました。

 

 

見えない価値観が、自分を縛っている

人は誰でも、親の価値観を内面化して生きていきます。

また、幼い頃に親から否定された経験や
親の役に立てなかったという罪悪感があると
自分をダメな人間だと否定的に捉え、さらにそんな自分にダメ出しを繰り返し
自己否定を強化しやすいものです。

でも、その価値観が「今の自分」と合わなくなったとき、
私たちは苦しさや生きづらさを感じるようになります。

それでも無意識に、昔のままの価値観を手放せない。
まるで、見えない鎖に縛られているかのように——

Aさんも、そんな鎖に縛られていました。

でも心理セラピーを通して、
「これは母親の価値観だ」
「私はどうしたい?」と
少しずつ自分の内側の声に気づけるようになっていったのです。

境界線や自己肯定感を取り戻したとき、「自分の人生」が始まる

Aさんは今、少しずつ「自分」を取り戻し始めています。

「母親のように」ではなく、
「私」というひとりの人間として、
家事や育児、仕事と向き合えるようになってきました。

誰かの価値観ではなく、『自分の心に合った生き方』を選べるようになること。

誰かと比べてや、誰かの評価では無く『自分がそのままの自分を受け入れ、認める』こと。

それは、40代になった今だからこそ、必要で大切な心の転換です。

あなたも、母親という「見えない価値観」に縛られていませんか?

「母のようにできない私なんてダメ」
「もっと頑張らないといけない」

そうやって、落ち込んだり、焦ったり、自分を責める生き方をもう終わりにしませんか?

本当に大切なのは、
“今のあなた”が、どう感じているか、何を望んでいるかです。

”こころのまど”では、
あなたの心の深い部分に丁寧に寄り添う心理セラピーや
心理のワークショップを提供しています。

あなたの「生きづらさの根っこ」を一緒に見つけ、ほどいていきましょう。

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では、また。