【福岡・北九州】の心理セラピスト待鳥智美(まちどりともみ)です。
人が怖い/人付き合いが苦手/親子問題/共依存など人間関係の悩みを解決しています。

 

「この人素敵!」
「この人が好き!」
「この人こそ自分が求めていた人だ!」など
大好きな人、崇拝する人、頼り切る人、自分を幸せにしてくれる人で
あるかのように感じて
夢中になったり、心酔したりして、親密になったり。

それなのに

相手が自分が求めるようでなかったり
自分が思う通りの反応を返してくれなかったりすると

突然
それまでの気持ちが一転して

こんな人だとは思わなかった!
ひどい人だ!騙された!
もう!大嫌い!

不満や怒りが露わになって
悪口を言ったり、批判したり、攻撃的になったり
相手との関係を終わらせたりする。

 

人間関係で
『大好き』から『大嫌い』に急変することを
よく経験していませんか?

「自分は嫌な気持ちにさせられた」被害者で
相手が悪い、加害者と判断しがちですが

これは、周りの人を攻撃したり、振り回して
自ら人間関係を壊してしまう
【理想化とこき下ろし】という心のクセが原因の場合があります。

このまま無自覚にこのようなことを続けていると
人間関係はいつも揉めたり、破綻しやすくなってしまいます。

 

今日は、『大好き』から『大嫌い』に急変して人間関係を壊す心理について書いてみますね。

理想化とは?

自分に優しくしてくれたり、素敵!と思ったりした人に

「この人こそ!自分が求めていた人に違いない」
「この人だけは自分をわかってくれるはずだ」など

脳内で相手を自分の理想像として認識することを
【理想化】と言います。

そして
100%の信頼を寄せたり
頼り切りたいと思ったり
ずっと一緒に居たいと思ったり
自分だけを見ていて欲しいと思ったりして
相手にしがみつきます。

でも
相手は、生身の「一人の人間」です。

自分に自分の気持ちや都合があるように
相手にも相手の気持ちや都合があります。

 

理想化しやすい人は
自分の視点や気持ちでしか物事を判断しない傾向や
感情の起伏が激しく、自分の感情を受け止めるのが苦手な傾向が強いです。

 

それは

「基本的欲求の不満」を抱えて
「見捨てられ不安」が強いという心理的な問題があるからです。

 

基本的欲求とは?

基本的な欲求とは

生まれてから極幼少期までの子どもが
安心して健全に生きていくためにごく自然に求める
親(養育者)に満たして欲しい欲求です。

それは、

  • 人と関わりたい・つながりたい【愛着の欲求】
  • 守られたい、安心安全な居場所が欲しい【安全の欲求】【所属の欲求】
  • どんな自分も受け入れて欲しい・認めて欲しい【承認の欲求】
  • 自由に、思い通りに行動したい【自由欲求】
  • 行動範囲を広げ探索したい・成長したい【成長欲求】

などがあります。

 

基本的欲求の不満と見捨てられ不安の関係

これらの基本的欲求が満たされないと
子どもは、深刻な欲求不満になり心が大きく傷つきます。

すると

「いつか見捨てられるんじゃないか?」
「誰もわかってくれないんじゃないか?」

「見捨てられ不安」自分の存在への不安
人への恐怖や不信感を感じてしまって
ストレスを感じやすく
感情が揺らぎやすくなります。

 

だから
何か相手が自分の思い通りにならないことや
相手が自分が望まむことをしてくれなかったりすると
見捨てられ不安がかき立てられ

大好きから一転して

裏切られた!騙された!許せない!と
大嫌いになって、攻撃性に変換する(こき下ろし)のです。

 

これらの感情の動きは、ほとんどが無自覚に起きて
行動に移っています。

意識としては
自分がひどいことをされた!
相手が悪い! など
被害者意識で、相手を責めることを正当化していて
自分の理不尽な攻撃性には気づきません。

 

相手の側にしてみると
態度の急変に振り回されて、
「どうして?」と疑問や不満を感じたり
一方的に攻撃されて、怒りや恐怖を感じます。

 

だから、関係が破綻するのです。

解決するために

この問題を解決するためには

自分の行動を冷静に振りかえることが、まず必要です。

そして、無自覚の心の傷付きを癒すことや
基本的欲求が満たされていないことなど
心理的ケアをすることがとても大切です。

 

それから

自分がどんな人間関係を築きたいのか?
どんな風に人と関わっていきたいのか?

選び直した行動をしていくといいですね。

『大好き』から『大嫌い』への気持ちの急変から
相手を攻撃してしまって、関係が破綻する繰り返しを
終わらせることができますよ。