「この人素敵!」
「この人が好き!」
「この人は特別だ!」

そう思ったことはありませんか?

そして
出会ったばかりなのに意気投合した。
やっと分かってくれる人に出会えた気がした。
この人なら信頼できる。
この人だけは裏切らない。

そんな風に感じて、一気に距離が縮まる。

でも、しばらくすると心ざわつく【何か】が起きます。

たとえば
LINEの返信がそっけなくなった気がする。
自分を優先してくれなかった。
期待していた言葉が返ってこなかった。
自分の気持ちを分かってもらえなかった。

すると

「こんな人だと思わなかった」
「結局この人も同じだった」
「裏切られた」
「もう関わりたくない」
「大嫌い」
「許せない」

と、一気に気持ちが冷めてしまう。

それどころか

怒りや失望が抑えられなくなり
悪口を言ったり
相手を責めたり
関係を断ち切ったりしてしまう。

気づけば…

また人間関係が終わっていた。

最初はあんなに仲が良かったのに。

信頼していたはずなのに。

大好きだったはずなのに。

どうしてこうなったのだろう??

そんな経験はありませんか?

もし、あなたが
「なぜか人間関係が長続きしない」
「最初は大好きなのに、急に嫌いになる」
「信頼していた人ほど許せなくなる」

そんなことを繰り返しているなら

そこには
【理想化とこき下ろし】
という心のパターンが隠れているかもしれません。

 

このまま無自覚に続けていると
人間関係は苦しいものになってしまいます。

 

今日は、『大好き』から『大嫌い』に急変して人間関係を壊す心理について書いてみますね。

「大好き」が「大嫌い」「許せない」に変わる理由

【理想化】とは
相手をありのままの一人の人間をして見るのではなく

「この人こそ私を満たしてくれる人」
「この人だけは分かってくれる人」
「この人は特別な存在」 など

脳内で相手に自分の理想のイメージを重ねることです。

 

本当の相手を見ているようでいて、
実は自分の願望や期待を見ている状態です。

だから、相手が期待通りでいる間や
夢や希望を思い描いている間は
とても幸せな気持ちになります。

 

でも
相手は、生身の「一人の人間」です。

疲れる日もある。
あなたを優先できない日もある。
意見が違うこともある。
期待に応えられないこともある。

自分に自分の気持ちや都合があるように
相手にも相手の気持ちや都合があります。

当然のことです。

 

ところが理想化が強い人は
その「当然」を受け入れることができません。

 

理想化しやすい人は
自分の視点や気持ちでしか物事を判断しない傾向や
感情の起伏が激しく、自分の感情を受け止めるのが苦手な傾向が強いです。

 

期待が外れた瞬間
本人は
「自分が傷つけられた」
「相手がひどい」と感じています。

そして、それまでの「大好き」は
「裏切られた」
「傷つけられた」
「相手が悪い」
「許せない」

へと変わり、今度は相手を悪者にしてしまうのです。

これを【こき下ろし】と言います。

なぜ、そんなことが起きるのでしょうか?

本当に苦しいのは、その奥にあるもの

理想化とこき下ろしが起きる背景には
幼い頃から抱えてきた心の傷付きや、深い寂しさや不安な気持ちが
隠れていることがあります。

 

幼い子どもは、本来

「愛されたい」
「人とつながりたい」
「守られたい」
「大切にされたい」
「受け入れて欲しい」
「自由にしたい」
「成長したい」

という基本的な欲求を持っています。

 

それは、わがままではありません。

人が安心して健全に生きていくために必要なものです。

けれど

十分に甘えられなかった。

気持ちを分かってもらえなかった。

安心できる居場所がなかった。

認めてもらえなかった。

いつも否定された。

そんな経験が続くと

心の中は、欲求不満や不安でいっぱいになり

「どうせ分かってもらえない」
「いつか見捨てられる」
「どうせ私はひとりぼっちになる」

という思い込みが残ります。

 

「大嫌い」は怒っているのではなく「不安」

理想化とこき下ろしを繰り返す人は
「怒りっぽい」「気が短い」「自分勝手」に見えるかもしれません。

でも、その奥にあるのは怒りやわがままではありません。

恐怖不安です。

幼い頃から
分かってもらえない恐怖
見捨てられる恐怖
一人になる恐怖
愛されない恐怖
にさらされてきました。

本当は
「見捨てないでほしい」
「嫌わないでほしい」
「大切にしてほしい」
「つながってほしい」と願っています。

でも、その願いが強すぎるほど、傷つくことが怖くなり
「もう傷つきたくない」と過剰に自分を守る態勢になっていきます。

だから
相手が期待通りに動いてくれないと
幼い頃から抱えていた不安が刺激され

「傷つくくらいなら先に嫌いになろう」
「見捨てられるくらいなら自分から切ろう」
という防衛反応が起きるのです。

それが
大好きから一転して
裏切られた!騙された!許せない!大嫌い!となって
人間関係が破綻することの正体です。

相手を失う度に、更に苦しくなる

問題は
この一連の反応が、無意識に起きていて
本人にはその仕組みが見えていないことです。

意識の上では
「自分が傷つけられた」
「私は被害者だ」
「相手が悪い」
と感じています。

だからこそ
自分が関係を壊していることに気づかず
何度も同じことを繰り返してしまいます。

けれど、現実には
過剰に自分を守ろうとした行動によって
大切な人との関係を壊してしまうことが繰り返されています。

 

そうして

「やっぱり誰も分かってくれない」
「自分はひとりぼっち」

という思いを強めて
さらに、人とつながることを困難にしまうのです。

このパターンは変えられる

もし、あなたが
人間関係で同じ苦しさを繰り返しているなら
問題は「性格の悪さ」や「反省不足」などではありません。

「惚れやすさ」や「人を信じすぎるから」でもありません。

心の奥にある傷つきや不安が
今の人間関係に影響している可能性があります。

 

この問題を解決するために大切なのは

相手を変えようとすることではなく
自分の心の中で何が起きているのかを知ることです。

そして

ずっと抱えてきた寂しさや不安などを
適切にケアしていくことです。

そうすると

相手を理想化しなくても関われるようになり
期待通りでなくても関係を続けられるようになります。

「大好き」と「大嫌い」の間にある
穏やかで安心できる人間関係を築いていくことができるのです。

「どうして私は人間関係が長続きしないんだろう」
「どうして信頼した相手ほど嫌いになってしまうんだろう」

そんな悩みの背景には
自分では気づいていない心の傷つきが隠れていることがあります。

人間関係の問題は
相手を変えることで解決するとは限りません。

自分の中にある傷つきや不安に気づくことから
これまで見えなかったものが見えるようになり
心のパターンを変えていく一歩が踏み出せます。

いま、あなたが
「これは自分のことだ」
「もう同じ苦しみを繰り返したくない」と思うなら
その心の仕組みを見つめ直す時期なのかもしれません。

一人で考えても答えが見つからないとき
頭ではわかっていても変われないとき
心の仕組みを一緒に整理してみませんか。

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