愛されたいのに、なぜか愛されない

 

私のクライアントさんには40~50代の女性が多いのですが
この年代の方って、これまで仕事や子育てに、忙しく頑張って来た時期から
・自分の時間を持てるようになった
・経験を積み、責任が重くなった
・体力の衰え、健康問題
・子どもの成長・巣立ち
・夫婦の時間が増えた
・親の介護問題
・友人など人間関係の変化 など
うれしいことも多い反面
心身共に疲れや、不安などを感じることが、実際に多くなりますね。

 

その様な中、特に歳を重ねて「不安」「虚しさ」を感じる人には
ある「心のクセ」があるようです。

それは、「愛されたいのに、愛されない」と心の奥でいつも感じていることです。

愛されたい欲求

「私のことをもっとわかってほしい」
「大切にされたい」
「一番大切に思われたい」
「認められたい」
これらは、人に「愛されたい」という欲求です。

※「愛されたい」欲求とは
 自分は人から「大切にされたい」「認められたい」「受け入れてもらいたい」「わかってもらいたい」という欲求を含み
 恋愛に限らず、人と関わりで感じるものです。
 この記事ではそれらを含めて「愛されたい」と表現しています。

 

年齢を重ねても、恋愛や人間関係で「愛されたい」という気持ちは消えませんよね。

「愛されたい」欲求は、誰もが当然持つもので
それ自体は何も悪くありません。

むしろ、年齢を重ねた今だからこそ
恋愛的な意味合いばかりが強かった若い頃より
もっと深く、切実に、そう感じている方が多いのではないでしょうか。

✔ どこか満たされない
✔ 相手からの愛情を感じられない
✔ 「私ばかり頑張ってる」と思ってしまう
こんな気持ちを抱えて悩む40~50代の女性が多く、相談に来られます。

 

先ほどに書いたように
「愛されたい」という気持ちは、誰にでもある自然な感情です。
それを感じることも、望むことも、まったく悪いことではありません。

問題は
「愛されたい」ことばかりに意識が向きすぎて
「愛する」という視点・行動を忘れてしまうこと、なのです。

 

今日は、40~50代の女性の不安や虚しさの正体=「愛されたいのに愛されない」心理問題について書いてみますね。

40~50代の女性に多い「心のすれ違い」

この年代は、人生経験を重ねてきて、さまざまな問題や人間関係をくぐり抜けてきた時期です。

だからこそ
傷ついた経験や、何かうまく行かなかった経験があると

「もう傷つきたくない」
「これ以上、我慢したくない」
「今度こそ、大切にされたい」

そう思うのも無理はありません。

 

でもその思いが強くなりすぎると、こんな状態になっていきます。

●相手の言葉や態度ばかり気になる
●「愛されていない証拠」を探すようになる
●自分から心を開いたり、相手に歩み寄ることができなくなる
●自分ばかりが損をしている気持ちになり、相手に怒りが湧く

つまり、「愛してほしい」が先に立ちすぎて、
自分からの“愛する行動”を失ってしまっているのです。

本当は、誰か(親)に愛されたかった

あなたの人間関係のパターンに、こんな思いはありませんか?

「私は一番好きな人には選ばれない」
「自分を好きになってくれた人を好きになるのが正解」
「自分の幸せは、相手次第」
「嫌われたくないので相手に合わせるしかない」

このような人間関係のパターンの裏には、
実は「自分の愛情を素直に表現するのが怖い」という深層心理が潜んでいます。

これは、過去の体験からくる「3つの心の傷」が関係しています。

1.愛着の傷つき

幼い頃に「大切にしてほしかった人」=「親」「家族」に
受け入れてもらえなかった体験を繰り返すことは
「愛してもらい、守ってもらう」ことが必須の子どもにとって
とても不安で、怖く、悲しいことで
「誰ともつながれない」「世間は冷たい」感覚を覚えてしまいます。

このような経験があると
安心して人とつながる=愛着の絆が、育まれないのです。

だから
人を愛し、人とつながるとはどういうことかが
そもそもわからなかったり
次第に、これ以上自分が傷つかないように(自己防衛のために)
「愛すること」から無意識に逃げるようになってしまいます。

2.「愛されたい」欲求の傷つき(欲求不満)

幼い頃に、親から十分満足するほど「自分は愛されている」安心感を得られないと
心はずっと、「自分ではどうしようもできない」無力感と共に
不安感や不満感を持ち続けてしまいます。

だから、幼い頃の親に対するその欲求不満・愛情飢餓感を
今の自分の周りにいる「誰か」に埋めてもらおうとして
「愛されたい」と求めしまうのです。

ですが、本来「親」に求めているものなので
他の誰かでは、本当には満たされず
過剰に、一方的に、いつまでも、求め続けることになってしまいます。

3.自己愛の傷付き(自己否定)

恋愛でも人間関係でも、何かうまくいかないことがあると、

「やっぱり私なんか…」
「どうせ、誰にも本当には愛されない」
「自分の我慢や頑張りが足りなかった」
そんなふうに自分を責めてしまう癖がありませんか?

これは、長年積み重なってきた“自己否定”のクセです。

 

「愛されなかった」「大切にされなかった」経験は
「自分は愛され、大切にされる存在だ」という感覚や
自分を愛する力(=自己愛)を傷つけ
「自分はダメで迷惑な存在だ」という自己否定の感覚を強めます。

 

自己否定が強いと、
「自分は誰かを愛する資格がない」
「誰かに愛されるはずがない」と感じてしまい、
愛したい気持ちそのものを自分で封じ込めてしまうのです。

1~3の傷付きが重なり合い

本当は愛したい。と思っていたとしても

◎拒絶されるかもしれない
◎自分の愛が迷惑かもしれない
◎もっともっと私が愛されたい
◎どうしたらいいかわからない など

自分から愛することをしなくなってしまうのです。

愛される人は、愛する人

よく言われることではありますが

【愛される人は、自分からも愛せる人】

これは、大切な真実だと感じます。

 

これは「いつも、誰にでも、与えなさい」とか
「見返りを求めるな」という話ではありません。

自分の心に素直になって
「私はこの人を大切にしたい」と思ったら
それを表現していい、ということなんです。

 

「自分から愛するなんて、もうできない」
「どうしても怖くて踏み出せない」
「そもそも愛するということがわからない」

もしそう感じたら、
それはあなたが悪いのでも、「愛する気持ちがない」のでもありません。

ただ、『心の奥にある“過去の傷”がまだ癒えていない』だけです。

それを無理やり
「愛さなければ!」と義務のように感じたり
「私は愛し愛されます」などポジティブに変えるのではなく、
自分の心の内側を丁寧に感じて、受け止め、癒していく。

そのプロセスが、自分を愛し大切にすることになり
本当の意味で「愛する力」を取り戻す近道です。

傷ついた過去があっても、
うまくいかなかった恋愛があっても
愛情は冷めたように感じる夫や家族にでも

あなたの中に「愛したい心」を育て直すことで
「愛されたいのに愛されない」不安や虚しさを感じることが
減っていきます。

そして、本当に安心できるつながりを築くことが出来るようになりますよ。

 

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