こんにちは。
福岡・北九州のリトリーブサイコセラピスト待鳥智美(まちどりともみ)です。

もうすぐ3月とはいえ、まだ2月ですが、早くも春の陽気を感じるこの頃です。

私が住む北九州ではとうとう「一面の雪景色」を一度も見ることがありませんでした。
年々、季節らしさが薄れていくように感じてしまいますね。
みなさんお住まいの地域ではどうでしたか?

 

今日は、『女性のストレス発散のためのアルコール摂取が依存になりやすい2つの理由』についてお話しします。

アルコール依存症の専門機関で治療を受けている人は数万人ほどと言われていますが、潜在的には全国で100万人とも言われています。
年齢・性別・社会的地位に関係なく多くの人がアルコールに依存している状況です。

ーーーアルコール依存症とは、薬物依存症の一種で、アルコールの摂取(飲酒)によって得られる精神的、肉体的な薬理作用に強く囚われ、自らの意思で飲酒行動をコントロール出来なくなり、脅迫的に飲酒行為を繰り返す精神障害である(Wikipediaより引用)ーーー

 

以前は、アルコール依存症は、男性に多いとされていましたが、最近では、女性の飲酒率の増加に伴い、アルコール依存症が増加傾向にあります。

『専門機関で依存症と診断されるほどでは無いから、私はアルコールに依存していない』
とは言い切れません。
快楽を得るため、または不快感から逃れるために、アルコールを摂取せずにいられないならば、『アルコールに依存している』と言えるでしょう。

 

多くの場合、飲酒のきっかけは、楽しむためやストレスの発散ではないでしょうか。
にもかかわらず、そこに留まらず、繰り返しアルコールを摂取し、依存してしまうのはどうしてでしょうか。

アルコール依存(あらゆる依存に言えることですが)は、本人の意思でコントロール出来るものではなく、精神的、肉体的、社会的に健全な状態でいられなくなります。

アルコール依存は、機能不全家族アダルトチルドレン共依存という言葉や概念を生んだものでもあり、本人はもちろんですが、周りの人たちにも大きな影響を与えてしまうことになるのです。

アルコールを摂取せずにいられない心理的問題を知ることが、依存症にならないため、または、依存症から抜けるためのカギとなりますよ。

女性のアルコール依存が増加している2つの理由

1つ目は、体格や体質によるものです。
女性は、男性に比べて体質的(小柄、体内水分量、脂肪や女性ホルモンなどの影響)に、アルコールが体内に残りやすく、アルコール依存症になりやすいと言われています。

 

2つ目は、女性に多い摂食障害・うつ症状の併発、更年期障害、社会進出にによるストレス、結婚や育児などのストレス、など現在の女性を取り巻く状況に対する心理的な問題の増加が大きく関係しています。

 

アルコールは、
・脳内の神経伝達物質ドーパミンを放出させ、快楽をもたらします。
・脳内の感情などを司る部分を麻痺させ、苦痛を軽減させます。

つまり、手に入れやすいアルコールによって、快楽を得られたり、ストレスや苦痛を忘れられるのですが、女性の体質的なことと、ストレスや苦痛が解消されない心理的抑圧が、繰り返し摂取、耐性や脳細胞の破壊につながり、依存してしまうと言うことです。

ストレスや不快な感情から逃れたい

ストレスは、自分の思うように出来ないことや我慢することが多い場合に感じるものですね。
ということは、普段、発散や解消できない我慢し抑圧している不快な感情や感覚、ストレス過多なのです。

 

女性が結婚や育児、仕事で感じる不快な感情・感覚は、一例ですが次のようなものがあります
・環境や人間関係の変化に対応するための緊張、恐怖
・夫や周りの人に頼れない孤独感
・それまでのキャリアが途切れ、家庭の中での自分に感じる無価値感、焦燥感
・職場での評価や待遇、ハラスメントに対する怒り
・子育ての不安イライラ
・仕事と家庭の両立のための余裕のなさ
・いつもきちんとしないないといけないという強迫観念(恐怖)

 

女性に多い摂食障害・うつ症状、更年期障害なども、不安さみしさなど感情が波のように強く感じられることがあります。

つまり、感じたくない感情があり、それを適切に発散・解消することが出来ず我慢やストレスが貯まってしまうのです。

「毎日、ストレス・苦痛やネガティブで不快な感情は感じていたくない。
私はこんなに頑張っているのに。
誰もわかってくれない。
もう、お酒を飲んで紛らわせよう!」

しかし、問題は、アルコールを摂取したときに限り紛らわせているだけで、感じたくない苦痛やネガティブな感情・感覚は無くなることはないところです。
これでは、また飲酒せずにはいられなくなります。

楽しむことを求めすぎるのも依存へつながる

楽しい時にお酒を飲みたいという人も、いますね。
その中に、実は、普段は楽しむことやくつろぐこと、羽目を外しはしゃぐことに罪悪感を感じてしまうので、楽しむことを無意識に止めている人が多いのです。

楽しいことが無い毎日ってつまらないし、ツラいですよね。
だから、アルコールの力を借りて、普段止めている「楽しんではいけない」ブレーキを外すのです。

しかし、
その快楽を再び味わいたい欲求を抑えきれずに、もう一度、、、
ブレーキを外して楽しんでしまった罪悪感や、それによる失態の恥ずかしさを忘れるために、もう一度、、、
もう一度、、、
何度もアルコール摂取を繰り返してしまいます。

つまり、楽しむためにと言うのも、先ほどと同じように感じたくない感情(罪悪感・羞恥心)がある場合が多いのです。

普段から適度に楽しむことができていれば、そもそもブレーキをかける必要はないので、適度に飲酒を楽しむことが出来て、依存することは無いということですよね。

自分も周りにもアルコール依存の影響は広がる

アルコール依存は、自分の体・心・社会性を壊すだけで無く、周りにも影響を広めます。

主婦や子育て中の女性ならば、家族との関係が歪む、家のことが出来なくなる、お酒に優先的にお金を使うなどが考えられ、家庭崩壊につながることもあります。

私は特に、子どもへの虐待親子共依存にもつながることは大きな問題だと思います。
理性が働かなくなり、暴力的になる身体的虐待、暴言などの心理的虐待、お世話を放棄するネグレクトなどです。
虐待によって、子どもの脳は傷つくことが報告されていますし、トラウマも大きく残ります。

そして、最初にも言ったように、アルコール依存症者とその家族は心理的な支配と依存の関係(共依存)になりやすく、その後の子どもの成長に影を落とすことになる可能性があります。

ストレスや不快な感情の解消のためにアルコールに頼らずに済む2つの方法

ストレスや不快な感情の解消のために、アルコールに頼らずに済むようになる、私がおすすめする2つの方法を紹介しますね。

1.我慢・ストレスを適度に解放・解消する

自分なりの解消方法・リラックス方法を見つけてみることがいいでしょう。
・夢中になれるのもや趣味を見つける
・体を動かすこともおすすめ
・ゆっくり深い呼吸を意識する

2.トラウマをケアする・安定した愛着を築き直す

我慢するクセがある人は、次のような信念を持っていることが多いです。
・自分が一生懸命に頑張らないといけない
・人のためになることをしなければいけない
・きちんとしなければいけない
・早くしなければいけない

このような信念を持つのは、自分が幼少期に親との関わりで、複雑にいくつも心に傷(トラウマ)を負ったことに由来しています。
ですから、自分を見つめ直し、無意識に持ち続けているトラウマを、丁寧に適切にケアすることが必要です。

また、このような親子関係では、自分に安心や信頼を感じながら人と絆を結ぶ能力である愛着が、不安定なことが考えられます。

不安定な愛着では、
自分を肯定することが出来にくいため、自分の感情や感覚も否定的で、受け止められません。
人に頼ることも苦手です。
つまり、感じたくない感情があちこちにある状態になりやすく、一人で抱え込み、それらから逃れるためにアルコールを利用しやすくなります。

ですから、安定した愛着を築き直すことが、アルコールに頼らない効果が大きいのです。

トラウマや、愛着を、丁寧に適切にケアすることは、リトリーブサイコセラピーがとても重視していることですので、ご相談いただければと思います。

まとめ

女性のストレス発散のためのアルコール摂取が依存症になりやすい理由

1.女性の体質的なもの
2.女性を取り巻く状況から、ストレスを感じることが多い

3番目は、女性特有と言うことでは、ありませんが。
3.幼い頃の親子関係から、我慢やストレスを貯めやすい人が多い

アルコール依存になると、自分の意思でのコントロールはできなくなりますが、
その前のアルコールに頼りたくなりやすさには、感じたくない感情や感覚の持ちやすさが関係していて、そこには心理的な問題が多くあり、自分の意思で自分を見つめ直すことが出来ます。

 

実際に、相談に来られた方で、最初の相談は、アルコール問題の方でも、そうじゃ無い(子育ての悩みなど)方でも、心理セラピーを続けるうちに、
「気づけば楽しむ程度のお酒で満足するようになった」
「前より、どうしても飲みたい気持ちが減った」
「一日の終わりに晩酌の習慣が無くなった」という
クライアントさんが何人もいらっしゃいます。

自分にも、周りの人にも、健全な関わりを保ち続けるために、あなたにはできることがありますよ。

では、また~。