こんにちは。
福岡・北九州のリトリーブサイコセラピスト待鳥智美(まちどりともみ)です。

2020東京オリンピックの延期が決まりましたね。
世界的なCOVID-19感染拡大の影響、人々の健康を考えると、今年の開催は危険だったと私は思うので、判断は良かったとは思います。
ただ、いろいろな調整・決定などなど、大変なことが山積みですよね。
東京では週末外出自粛要請がでました。
これからの情報を見ていきたいと思います。

 

あなたは、人の役に立ちたい、人を助けたい、人のお世話をしたいと思いますか?

私たちは人と関わりを持って生きてますので、この思い自体は、多くの人が持っていて当然だと思います。
この思いがあるからこそ、助け合ったり支え合う、温かな関わりが持てます。

人と関わることは、『人との絆を結ぶこと』の愛着システムが深く関わっているでしょう。

お仕事で言うと、特に、医者や看護師を始め医療従事者、介護職、教師、そして各種セラピストなど人と深く関わる方々は、この思いが仕事を目指すきっかけという人が多いのではないでしょうか。
親が、子どもに抱くものでもありますね。

私も心理セラピストですから、もちろんその思いはよくわかります。

 

しかし、強すぎる思いは、自分が疲弊したり倒れたり、お世話したい・助けたいと思う相手のためにもならないことになります。
自滅、独りよがり、共倒れ、相手の力を奪うなど。

〇人に尽くしすぎて、自分が倒れてしまう
〇いつまでもお世話しすぎて、相手の自立を邪魔してしまう
〇相手の役に立てないと自分の存在意義が薄れたように感じて消えたくなる
〇相手に利用されすぎて疲弊する
〇相手のためといいながら、押しつけがましい振る舞いをする

結局、相手との関係はうまく行かなくなってしまいます。
このようなことにならずにお互いのためになる、本当に人を支える・人と関わるとはどういうことかがわかると思います。

助けられなかった、助けてもらえなかった心の傷が原因

人の役に立ちたい、人を助けたい、人のお世話をしたい
強く思って行動する人は、人を助けられなかった経験や、人に助けてもらえなかった経験があるのではないですか。

子どもの頃
・どちらかの親がもう一方の親へ、または自分へ暴力的だった
・両親がいつも忙しくて大変そうだった
・別の兄弟ばかりがかわいがられた

「母親が父親に暴力を振るわれていて、助けたいと思った
でも、自分には助けられない」

「親に虐待されていたけど、誰も助けてくれなかった」

「自分はいつも放って置かれた」

 

このようなことがあれば、、、

助けられなくてごめんなさいという罪悪感
何で、助けてくれなかったの?助けて欲しかったのに!という怒り悲しみ
そして怒りや悲しみを出すことも出来ずに感情を我慢し抑圧するしかない苦しみ
自分を大切にしてもらえないことで低い自己重要感・自己存在価値
様々な出来事が心の傷(トラウマ)となる

自分の罪悪感を薄めるために
自分の存在意義を感じるために
自分が褒められ大切にされるために

人をお世話したり助けたりせずにいられない、ということになります。

また、助けてもらえなかった苦しさを、助けて欲しそうな人を見ると思い出し(投影を起こす)
苦しさを感じないようにするために、人を助けずにいられない。
どういうことかというと、自分を助けるために人を助ける のです。

自分の境界線も相手の境界線も無視して、のめり込むように動かずにはいられないのです。

相手のためではない人助け

つまり、人をお世話したり助けたい思いに駆られるのは、無意識の感情に因るものですが、

自分の満足のためだけの人助け ということ。
(独りよがりに人を自分の満足のために使う)

これが続くとどうなるかというと、最初に書いたように、、、

〇感情や感覚を抑圧しているので心身の無理に気づかず倒れるまで人のために動く
〇いつも困っている人助けて欲しそうな人を探してしまうのでずっと人助けをやめられない
〇相手を弱者と見なして扱うので、いつの間にか相手に嫌われる
〇もし助けられないことがあると、自分を責め過ぎたり、頑張り過ぎたり、一人で抱え込んで自分が疲弊したり、不安定になる
〇頼られ続けたい心理は、相手を支配し依存させ続けて相手の本当の問題解決や成長を阻止する
〇相手が離れていることを怖れるので、相手に都合良く利用されたり、搾取される
〇相手が自分の思うようにならないと激しく怒る
〇相手の欲しいことがわからず、単なるお節介をしてしまう

これらは、
●ブラック企業だとわかりながらやめない人
●人生相談に乗っていてうつになる人
●過保護な親(親子共依存)
●対人職で相手を感じすぎて疲れる人(負のエネルギーというようなもの)
褒められることを望みすぎる人
などにも当てはまるでしょう。

 

このような人助け・お世話するやり方は、本当にあなたが望むやりかたでしょうか?

このまま続けていきたいと思いますか?

 

人を助けることやお世話することがいけないことではないのです。

自分のためだけでありながら、
自己犠牲的だったり、
支配と依存の関係を生むようだったり、
境界線を無視してエネルギーを吸い取り吸い取られるようだったりする
やり方にしがみついていることに気づかずに続けることが、
どうなのか?
自分を見つめるきっかけにしてもらいたいと思うのです。

じゃ、どうすればいいの?って思いますよね。

実は、
自分のためだけじゃなく、本当に相手のためになる適切な人助け・お世話ができるようになる方法があるのです!
人と穏やかに関わることが出来るようになります。

心の傷を癒し愛着を築き直そう

誰もが、困ることや悩むことがあって当然ですよね。

だから、困ったときに頼れる人がいる(身近な人じゃなくても、心の支えや安心の感覚でもいいのです)ということは、安心して人生を歩むことが出来ることにつながります。

この安心の感覚は、幼いときの親(養育者)との関わりによって愛着(人と絆を結ぶ力で人格の土台となるもの)が安定して築かれた場合に身につきます。

安定した愛着の人は、生きることに不安が少なく、もし困ったときには自然と人を頼ることが出来ます。
困っている人に自然に手を差し伸べられるし、頼られることも受け入れます。
自分の領域をしっかり守ることができていて、相手の領域に勝手に踏み込むこともしません。

 

つまり、安定した愛着を築き直すことが、自分ができることを相手のために、適切に手助けやお世話が出来るようになるため、人と良い関係を築くためのカギとなります。

安定した愛着は、
求めたら応えてもらえる(応答力)
本当に必要なものをわかってもらえる(共感力)
いつでも安心を感じられる存在と経験から築かれます。

自分自身にも安心の感覚を持つようになります。
自分の感覚を感じられるようにもなります。

すると、人を助けたい思いに駆られることなく、助けやお世話を必要とする人に、必要なものを適切に与えることが出来るようになります。

適切にとは、
相手を自分の思うように動かすことではなく、相手に必要であれば、手を出さず見守ることや叱ることなど、も含め、徐々に相手が自立に向けての力を持つように後押しをできることです。

 

その過程は、心の傷を癒すこと、自分の境界線や軸を確立すること、自分の不必要な思い込みを手放すことなど、一連の必要なものをじっくりと向き合いながら身に付けていくことです。

自分とじっくり向き合うことに心理セラピーが、お役に立てると思います。
どうしたらいいのかわからない、と困ったときにはご相談くださいね。

最後になりますが、
もし、あなたを自分のために助けようとする人がいた場合、、、
そっと、さっと、距離を取りましょう!

あなたが、さほど困っていなくても、助けを必要としていなくても、「どうしたの?」「大丈夫?」などと優しく寄ってくるでしょう。
あなたは、困った弱い人とされてしまい、自分の力を失っていくでしょう。
または、いつまでも離れられない関係になるでしょう。
そうなる前に、、、違和感を感じたときには、そっと、さっと、離れましょう。

 

では、また~。