こんにちは。
福岡・北九州のリトリーブサイコセラピスト待鳥智美(まちどりともみ)です。

例年ならゴールデンウィークを前に、気分が上がっているところでしょうが、
今は、「おうちにいよう!」ですね。
みんなで、もうしばらく頑張っていきましょう!

終息したら、本気で遊びましょうね!

 

あなたは、いつも誰かに指示やダメ出しを繰り返し、イライラと怒って疲れていませんか?

思い当たるなら、本当のあなたは
常に、周りの人の目が気になり不安が強く、
自分の気持ち、考え、やりたいことなどを後回しにしたり、無視したり、我慢しやすいのではありませんか?
人と関わりたい思いは強いのに、程よい距離感や関わり方がわからないため、いつも人と関わると疲れたり悩んだりしてしまいます。

そして、無意識にですが、自分が思い描く理想像に近づくためや自分の不安を落ち着かせるために、相手を思うように動かそうとします。
相手が、自分が望んだことをやってくれないと、強い不安を感じて、怒ってでも、脅してでも、相手にやらせたくなります。

つまり、いつも指示やダメ出しを繰り返し、イライラと怒っているのです。

そして、
→この理想像とはほど遠い状態の自分に、不安になって落ち込んで
→こんなんじゃダメだ!と奮い立ち
→相手に指示・ダメ出し
→…… 繰り返すのです。

これでは、自分も相手も疲れてしまいますし、いい関係は築けませんね。

このような人は、ほとんどの場合、無意識に
『「いい母」「いい妻」「いい人」にならなければいけない』という理想像や信念を持っています。
そのために、相手を自分の思う通りに動かしたくなるのです。

この『いい人にならなければいけない』「相手を動かしたい」イライラ無限ループを終わらせるには、原因を知り、解決していくことが大切ですね。
今日は、この信念を持つようになった原因は?どうしたら解けるの?をお話しします。

 

自分が望む通りに相手を変えたい

小学生のお子さんを持つAさん

Aさんは、子どもの学校での様子、友達づきあい、勉強など、あらゆることが心配です。
家に帰ってきた子どもへ今日の出来事の質問、アドバイスを怠りません。
宿題もきちんとチェックします。

子どもへの口癖は、「早く~しなさい」「~はダメよ」。
子どもが、指示通りに動かなかったり、反発したなら、だんだんヒートアップ!

怒鳴ったり、脅したり、他のこと比べたり。
「どうして~できないの!」
「もうお母さんは知らないよ!」
「お母さんがこれだけやってあげてるのに!」
「〇〇ちゃんはできるのにどうしてあなたは…」
「できなかったら×××するわよ!」

言い過ぎたと後悔し、自己嫌悪します。
でも、またすぐに指示・ダメ出しを繰り返し。

もちろん、Aさんが言う通りにできたら褒めます。
「~できてすごいわ!」
「〇〇ちゃんよりえらいわ!」
「やっぱりいい子ね」

子どもが言う通りにできて、ほっとしたのもつかの間、、、
すぐに、別のことが気になり不安がムクムクと湧き上がります。
「あれはどうなのかしら?」「もっとこうした方が…」
そして、指示・ダメ出しの繰り返し。

Aさんは、『どうしてうちの子はこんなに私を怒らせるのかしら?
もっといい子になってくれたらいいのに。もう疲れたわ。』と悩んでいるのでした。

 

この問題の原因は、子どもがAさんの言うことを聞くいい子じゃないからでしょうか?

いいえ。
原因は、Aさんの不安の強さと、その不安を他人にどうにかして欲しいと望むクセにあります。

子どもがなんでもできる「いい子」だとしても、
次々に子どもの違うところへ目が向いたり、違う人の意見を取り入れたりして、不安を見つけているのはAさん自身だからです。

実は、心の奥底では、Aさんは、子どもがいい子だったら、自分が『いい母親』だと周りの人に認められて安心できる、と思っているのです。

自分の不安を、「いい子」に埋めてもらって『いい母』で居ることで安心に変えたくて
「いい母にならなければいけない」と思っているのです。

Aさんは、自分の不安を自分では受け止めず、子どもに埋めて欲しがり続けています。

条件付きの愛情で育って愛着形成が不安定

このように、「いい母」「いい妻」「いい人」など他人から認められることや
他人の役に立つことで、自分の価値を感じ安心する人は、

自分の気持ちを自分では受け止めず、他人にどうにかして欲しい
他人を自分の思う通りに動かすことで安心できると信じています。

それは、幼少期の親との関わりで身に付けた自分の価値観です。

・何かができれば褒められたが、それ以外は無関心
・母親が言う父親への愚痴や文句を聞いてあげていた
・いつも怒っていた親が、テストの結果が良かったときはとても喜んでくれた
・いつも大変そうな親を喜ばせたかった

何かができれば、愛してもらえた。認めてもらえた。

このような親の愛情は、条件付きの愛情です。

 

子どもは、何かができてもできなくても、どんな自分でも
無条件に、親に愛して大切にして欲しいと望みます。

この望みが叶う親の関わりは、安定した愛着形成をもたらします。

親に愛して大切にしてもらえるかどうかは、子どもにとって生きるか死ぬかに直結しているので、
子どもは、この無条件の愛情という望みが叶わなければ、
条件付きでもいいから愛して大切にして欲しいと思い、その生き方を選びます。

 

親の条件付きの愛情で育つと、愛着形成は不安定なものとなります。

〇愛して大切にして欲しければ条件を満たさなければいけない
〇条件を満たさなければ愛してもらえない大切にしてもらえない

という子どもにとっては生死に関わる恐怖・不安をもって、条件を満たすことに必死になります。

親の条件を満たすことは、いわゆる「いい子」で居ることになります。

 

親に受け入れてもらえるかどうかが大切で、親の価値観や機嫌に合わせることが、自分にとっての一番の関心事になります。
自分の気持ちや考えに意識を向けていられなくて、自分のことは我慢や後回しにしてしまうのですね。

このような親子関係は、不安定な愛着形成(不安型)となり、親子共依存の関係を取りやすいのです。

 

常に、不安を抱えやすいのはこのためです。

 

そして、「いい子」だった子どもは、そのまま大人になって、
自分の意思では無い、誰かが求めるような、見本のような、
いわゆる「いい母」「いい妻」「いい人」になりさえすれば、安心できると信じるのです。

条件付きの愛情で育ち、その関わり方しか知らないために、周りの人にも条件を守ることを求める関わり方をします。

いい母親にならなければいけないと信じる親は、子どもを「いい子」にしようと無理やり頑張ってしまうのです。

本当に安心して人と関わるために

さて、先ほどのAさん。
子どもやパートナーが「いい子」や「いい人」で居てくれて、自分が「いい母」「いい妻」と言われれば、安心できるのでしょうか?

いいえ。できません。

 

先程も言ったように、常に不安を抱える人は、自分の不安を他人で埋めようとしてします。
けれども、他人は思うように動かないものですし、一瞬安心したと思っても自ら不安を探さずには居られないのですから。

この問題を解決するためには、

まず、安定した愛着の再形成、心の傷を癒すことが必要です。

これまで、自分に意識を向けず、他人に向けていたのですから、自分を大切にして生きるということを経験していません。
条件を満たすために頑張り、不安で居ることが普通だったので、無条件の愛情や安心を知りません。

だから、
自分のことを大切にするとはどういうことか、
安心の感覚とはどういうものかをじっくりと体感して、
実際に、自分の気持ちや考えで行動していくことが大切です。

不安を安心に変え、
自分を大切にして生きることが出来るようになると、
周りの人を自分の思うように動かしたい思いや、
周りの人に自分を満たしてもらおうとすることが、減っていき
穏やかに、温かく関わることが出来るようになっていきますよ。

自分は、いつも安心を感じられて、
親子関係、夫婦関係、友人関係、上司や同僚との関係は、楽なものへ変わっていくことでしょう。

 

Aさんは、
安心して子どもを信じて見守ることができるようになり、ガミガミ言う必要がなくなった。
子どもはどんなでもかわいいのに、何があんなに気になっていたのかと不思議なくらいだ。
と笑っていました。

 

では、また~。