こんにちは。
福岡・北九州のリトリーブサイコセラピスト待鳥智美(まちどりともみ)です。

 

「あなたのために」私はこんなに我慢してやってきたのに
「あなたが喜ぶと思って」してあげたのに

相手から、思うような反応(感謝や尊敬など)が返ってこなくてがっかり
拒絶されて、恩を仇で返されて、怒り心頭
どうして、言う通りにできないの?という怒りと疲労感

こんな風に、がっかり、怒り、徒労感、さみしさを感じることありませんか?
人から疎まれたり、避けられたり、拒絶されたりして、人間関係が、円満で無くなることを繰り返していませんか?

 

このようなお世話好きな人は、相手が悪い、恩知らずなど、相手を責めがちですが、
実は、自分の行動にこそ問題がある場合があります。

「人のために良いことをしている」「困っている人のお世話をしなければいけない」
という思い込みからの行動のパターンを、一歩下がって見つめることで、
自分の不快な感情が無くなり、良い人間関係が築けるようになりますよ。

お世話の押し売り、余計なお世話

自分の子ども、友達、仕事の部下、パートナー、嫁・婿、などを相手に、
いつも「あなたのために」と思って行動している。

・『嫁のために〇〇を買ってきたのに、喜ぶどころか受け取りもしなかったのよ』という姑
・『子どもの将来のために、自分は買いたいものも我慢して塾に通わせたのに、勝手に志望校を変えた。最近では、「クソババア」「お前のせいで!」と怒鳴るようになり、手を焼いている。どうしてこうなったのかしら』という母親
・『部下が困らないように、アレコレ仕事を教えてやろうとしてるのに、たびたび「大丈夫です」と断られる。まったく最近の若いもんは』という上司
・『お得な品物があったから、友達みんなの分も、と思って買ったのに、みんな素っ気ないわ』という人

共通しているのは
●「あなたのために」という思い
●煙たがられたり、拒絶されたり、反発されたりして感じる、怒り、嘆き、徒労感、さみしさなどの不快な感情
です。

相手の方にも、喜んでいるというより、不快な様子が見られます。

 

一見、相手のためを思ってのお世話のようですが、果たしてそうでしょうか?

相手の反応を見る限り、そうではないようです。

これは、自分都合の世話や好意の押し売り、余計なお世話、なのです。

だから、相手がこちらのお世話をありがたく受け取ればいいのに!と相手を責める問題では無く、自分が、自分都合のお世話をせずにはいられないことが問題なのです。
最後には、どちらもが不快な感情になり、人間関係が悪くなることも。

自己肯定+他者否定のコミュニケーション

「あなたのために」といいながら、これらのお世話は、相手の要求とのズレや、本当に相手に必要かどうかを、判断せずに、自分本位、自分都合、自分勝手に、口を出し手を出し、干渉しているのです。

そこには、自分は大丈夫で優れているから、弱い者や下の者のお世話をしてあげる・面倒を見てあげるのが当然という隠れた思いがあります。

これを、自分はOKだけど他者はダメなヤツばかりだという認識の【自己肯定+他者否定の構え】と言います。

また、お世話して、さらに認められたい関心を持ってもらいたいという欲求を持っていることもあります。

だから、「あなたのために」といいながら、相手への共感は乏しく、押しつけがましかったり、独断的なお世話や関わりになるのです。

 

このようなお世話や関わりを、受け手は、喜ばしい、心地良い、と感じるものでしょうか?

多くの人は、自分自身の欲求を無視されたり我慢させられて、怒りや悲しみなどの不快な感情を感じて、暴君の仕業、的外れなお節介、大きなお世話と受け取るでしょう。

自分自身の欲求を無視され我慢させられることは、自尊感情を損ない、自分で考えたり行動する力を奪われることになります。
そうして、いつでも他人に頼らなければ生きていけなくなれば、自分の人生を進むことがとても困難になります。

 

 

そして、お互いが不快な感情を抱くこのやりとりを繰り返していては、人間関係は悪くなり、崩壊してしまいます。
親子げんか(家庭内暴力に発展することも)、子どもから毒親と言われる、嫁姑問題の悪化、離婚、仕事場や友人仲間での孤立、など、
「こんなはずでは、、、」と。

 

そうならないためには、どうしたらいいのでしょう。

不必要に不快な感情を持ち、不安定な人間関係を繰り返しているなら、「あなたのために」と言いながら、繰り返し続けていくことは「相手のために」はならない、ただの自己満足のコミュニケーションを無意識にしている、と気づかなければいけません。

まず、気づいてやめることが必要

さて、ここで言っておきますが
純粋に「相手のためにしてあげたい」と思い行動することは、何も悪いことではありません。

それをやめる必要は無いと思います。

ただ、【自己肯定+他者否定の構え】での自分本位のお世話を繰り返すことが、どちらのためにもならず、人間関係を悪くしてしまうのです。

 

自分の無意識の行動に気づくことは難しいですが、気づくポイントがあります。

それは、自分の不快な感情です。

相手の態度などに自分が不快な感情を感じたら、
「また、余計なお世話をしていたかもしれない」と気づくことです。

自分の感情に意識を向けることが必要ですね

そして、すぐにお世話をやめることです。

頼られたとき、求められたとき、必要なときに、快く、必要なお世話をしてあげられたら、互いに不快な感情を感じること無く、より良い関係が築けますね。
見守る、じっと待つ、ということにチャレンジしてみるといいですね。

受け手側のポイント

また、このコミュニケーションパターンの受け手の立場が続いているという人は、そちら側にも問題があり、改善ポイントがあります。

受け手が、相手からの他者否定的扱いを受け入れてしまう、自己否定感を持っているのです。
お世話を拒否することに強い罪悪感を感じてしまい、次のような態度をとってしまいます。

・頭ごなしに拒絶する
・自分の欲求を言わない
・要らないと言いながらも最後には受け取る
・やんわりと断ろうとする
・受け取りたいものも気持ちよく受け取ることができない など
相手に自分の感情をぶつけるのでも、誤魔化すのでも無く、自分の気持ちを素直に伝えたり行動することができません。

こちらも、自分の不快な感情に気づいたら、いつものやり方をやめて繰り返さないことが必要です。

例えば、
「今は要りませんが、必要なときには言いますね」
「これは私の好みではありません」など
受け取り方、伝え方に自分の気持ちに素直さが出るようになるといいですね。

本当の解決に向けて

先程、気づいてやめるという対処法をお伝えしました。
ぜひ、やってみてくださいね。
少しずつ変わっていくと思います。

「あなたのために」と思っているのにいつも人間関係で、不快な感情を感じて、もめてしまうコミュニケーションパターン根本から解決したい!と思ったら、ぜひ心理セラピーをご利用くださいね。

とても幼いときに親との関わりで身に付けた【自己肯定+他者否定の構え】、そこに絡んだ愛着の問題なども、丁寧に扱うことができます。

自分も、他者も肯定的に捉えることができるようになると、どちらも大切にする対等な良い関係が続けられます。

自分の無意識の行動パターンが変わっていきますよ。

 

では、また~。