こんにちは。
【福岡・北九州】の心理セラピスト待鳥智美(まちどりともみ)です。
人が怖い/人付き合いが苦手/親子問題/共依存など人間関係の悩みを解決しています。

 

「負けず嫌い」な性格は、人に負けたくない、人に勝ちたい意識で、
何かを頑張って、習得したり、勝負に勝ったりするには、
いい効果をもたらすこともあります。

けれど
「負けず嫌い」の目的次第では、
頑張っても、自分を生きづらくしたり
家族や職場など周りの人達との関係を壊してしまったりして、
自分の弊害になってしまいます。

 

それは
人に負けないこと、人に勝つこと
そのために頑張ることが、無意識に
◎自分の存在価値の証明
◎居場所の確保
◎見放されずに人と関われる安心
◎生きる許可や、生きるエネルギー になっている場合です。

 

今日は、「負けず嫌い」の弊害について、具体的な例を示しながら、書いてみますね。

 

 

ケース1 Aさんの場合(会社員、男性)

Aさんは、同期の誰にも負けたくない気持ちと
どんどん仕事を覚えていく楽しさがあり
一生懸命に頑張り、充実した日々を過ごしていました。
すぐに、結果を出し、上司にも成果を認められるようになり
昇級して、チームのまとめ役を任されたり、部下を指導する立場になって、、、

もちろん自分は一生懸命に働くのですが
チームメンバーや部下が、できないことにイライラして
いつもダメ出しや叱責ばかりで
メンバーがいいアイデアを出したり、いい働きをしても
揚げ足取りやケチを付けるなどするので
次第にメンバーも部下も萎縮して、やる気を無くしてしまいました。

チームとしての成果は上がらず、メンバーからは煙たがられ
上司からはAさんの指導力を問われ
Aさんは、疲労と心労から体調を崩し、うつ症状にもなって。。。

Aさんは、自分が人より下(できない、知らない)に居るとき、
他の人より上を目指すのは得意でしたが
人と協力する、みんなをまとめる、的確な指示で導くなど
円滑なコミュニケーションが苦手です。

内心では、「自分はすごく頑張ってやっているのに
周りの人は頑張っていない、たいしたことない」と見下し
「どうしてできないんだ」と腹を立てる
一方で
周りの人が何かできたり、うまくいくと、
「自分の居場所が無くなる恐怖」
「自分の存在価値が無くなる恐怖」
を感じて
周りの人達みんなを敵視して揚げ足取りダメ出しをしていたのです。

 

このような負けず嫌いの人は
頑張ることをやめられず体や精神の不調に陥りやすく

このような負けず嫌いの人の下でグループのメンバーは
やる気を無くして、言われたことをやるだけで、成長せず
結果として、グループとしての、成果はあがりません。
会社としてもこれは痛手となるでしょう。

 

ケース2 Bさんの場合(専業主婦、女性)

Bさんは、夫とまだ幼い2人の子どもと暮らす専業主婦。
子どもの教育や習い事に熱心で、
特に上の子には、家でも付きっきりで厳しく教えていました。
たとえ99点でも、100点以外や、他の子より劣ると激しく怒ります。
しかし、100点を取っても、褒めることはあまりしません。
先生やママ友から「○○ちゃんすごいね」と言われるとうれしそうですが
子どもが注目、賞賛されすぎると不機嫌になり
「調子に乗るな!まだまだダメだ!」と影で子どもを怒鳴ります。
一方で、下の子は、「まだ小さい、あなたはうまくできなくて当然」と
何をするにも手伝ってあげて、厳しく怒ることはありません。

→上の子は何でも頑張る「できる子」になりましたが
神経質で、ちょっとしたことでキレやすくなり
また、下の子を嫌い、いじめるようになり兄弟不仲に。
そして、下の子は、自分では何もできない子になってしまいました。

Bさんは
「習い事の先生から、ママ友より自分が褒められたい」
「誰よりも自分が注目されたい」
「キチンとした母親とみんなに認められたい」
「自分が果たせなかった夢を叶えて欲しい」と
自分の無価値感劣等感承認欲求愛情飢餓感などを
子どもで埋めようとしました。

そして、自分の子であっても、自分以上に注目され、褒められることは
許せ無いほどの「負けたら生きていけない恐怖」があったのです。

 

※Aさんの話も、Bさんの話も
実際に私が出会った事例をいくつか組み合わせて構成しています。

不安や恐怖を避ける「負けず嫌い」の弊害とは?

「自分はできない」「自分はダメだ」と自己否定の前提があり

負けることに

・居場所が無くなる恐怖
・見放される不安
・関心を向けてもらえない孤独感 など
大きなイヤな感情や感覚があると

不安や恐怖を避けるため
過剰に頑張り続けたり
勝ちに執着しすぎる「負けず嫌い」になってしまいます。

不安や恐怖を避けるための「負けず嫌い」は

●満足や充実感がないまま、過剰に頑張り続ける
●何かを成し遂げた後、燃え尽き症候群になりやすい
●いつも人の目を気にして、人からの評価に怯える
●人への恨みや妬みを抱えやすい

●人の足を引っ張ったり、人を抑えつけたり、人を攻撃して人間関係を壊す
●人を教える、育てることができない

という生きずらさや、人間関係の悩みをもたらします。

 

弊害を無くすために

「負けず嫌い」がダメということでも
頑張ることがダメということでもありません。

不安や恐怖を避ける目的の「負けず嫌い」でいると
自分の体や心を崩してしまったり
人間関係を壊したりするので注意が必要です。

 

自分の心の奥に不安や恐怖があることは
なかなか気づかないものですが

「負けず嫌い」の弊害を知ったことをきっかけに
自分の心の奥に向き合ってみてくださいね。

 

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では、また。