例えば
・年末年始や連休など、人と過ごす時間が増えたあと
・子どもが成長し、巣立ったあと
・家族が出かけたあとのリビングで…
・グループでの仕事に一区切りがついて…
「ほっとする」と同時に「さみしい」気持ちが湧いてくることがあります。
にぎやかだった空間が静かになったり
一生懸命にお世話していた相手がいなくなったりすると
安心と虚しさが一緒にやってくる。
この感覚は、実は多くの人の人間関係のパターンとも深くつながっています。
とくに、
「誰かと一緒にいると疲れるのに、ひとりになると不安になる」
「人の役に立っていると安心するけれど、どこか苦しい」
「イライラしながらもお世話をしてしまう」
「人の役に立てることをいつも探してしまう」
そんな感覚を常に感じていたり、強く感じたことがあるという方は
共依存的な関係を築くパターンの影響を受けている可能性があります。
「誰かの役に立つ私」でいることで得ている安心
私たちは子どもの頃
日々の親や家族、養育者との関係の中で
「どうすれば愛されるのか」
「どうすればここにいていいのか」
を自然に学びます。
もし
・甘えたいときに甘えられなかった
・感情を出すと否定された
・親の機嫌や状態に合わせる必要があった
・誰かの役に立ったときだけ見てもらえた
そんな環境で育つと、子どもは無意識にこう学びます。
「私は役に立つ存在でいなければならない」
「相手を喜ばせていないと、ここにいられない」
「私はいつ見放されるかわからない存在だ」
この常に不安な感覚や思い込みは、大人になってからも残り
パートナー、親、子ども、友人、職場の人などに対して
・世話を焼きすぎる
・相手の問題を自分のことのように背負う
・自分の気持ちより相手を優先する
・自分の思い通りにすることで不安を消そうとする
といった形で現れます。
そして
「誰かの役に立っている私」「役割を全うする私」でいられるときだけ
「私は必要とされている」
「ひとりじゃない」
「私には居場所がある」
という安心を感じるようになります。

共依存の人の心と行動のループ
共依存傾向の方は、外から見ると
「真面目な人」「我慢強くていい人」
「優しい人」「頑張り屋さん」に見えることが少なくありません。
しかし内側では、こんな流れが起きやすくなっています。
本音や欲求を出すことが怖く、言わずに我慢する
↓
ストレスや不満がたまっていく
↓
「こんなにやっているのに」と怒りや虚しさが生まれる
↓
それを直接伝えられず、冷たい態度や距離、皮肉、無視などで表現してしまう
(ドアをバンッと閉める・ものに当たるなども):受動攻撃
↓
関係がぎくしゃくし、不安や孤独感が強まったり
「やっぱり私が悪い」「頑張りが足りない」と自己嫌悪が強まる
このループが、人間関係の疲れや孤独感を繰り返し生み出します。

共依存の裏にある“見えにくい”「支配」
共依存の問題は
「弱くて依存的な人」「相手に尽くす人」の問題のように思われがちですが
実際には
共依存は、お互いの依存と支配が絡み合った関係性です。
なので、依存的で尽くす側に見える人でも
その裏側では
・「私がこの人を支えている」
・「私がいないとこの人はダメ」
・「この人の機嫌や状態は私次第」
・「私だけがわかってあげられる」
と、無自覚ながら
「相手を左右する」「相手の人生に強く関わる」という支配的な立場や
相手にとって「特別な存在」という位置に立っています。
相手の人生や感情に深く関わることで
自分の存在価値や安心を保とうとしているのです。
相手の役に立つことが
相手に依存して楽や安心を得るだけでなく
同時に、相手を支配して安心を得るという
この構造があるため
共依存的な生き方がなかなかやめられません。
でも、この生き方故に
・尽くしているのに満たされない
・頑張りすぎて疲弊する
・人間関係が長続きしない
・お世話をしながらイライラする
・いつも関係性に不安がある
といった問題が起こり続けます。
心理的背景にあるもの
この背景には、愛着の傷つきがあることがほとんどです。
安定した安心感の中で育てなかった子どもは
不安やストレスを抱えやすく
・ありのままの自分では愛されない
・我慢する自分、役に立つ自分でいなければならない
・自分は劣っている、無力だ
・私は誰ともつながれない
という信念を身につけてしまいます。
大人になってからの「生きづらさ」や「人間関係の苦しさ」は
意志の弱さや、頑張りが足りないという問題ではなく
この心の学習の結果なのです。
共依存を抜ける第一歩
自分の共依存パターンの生き方に気づくことは
誰かを責めるためでも、自分を責めるためでもありません。
それは
「子どもの自分が必死に生き延びるために身につけたやり方だった」
と、これまでの自分を受け入れ
今の自分、これから先の自分が
より楽で自由な関わり方へ移行していくための第一歩です。
もし
「私に当てはまるかもしれない」
「どうしたらいいんだろう」
「もう繰り返したくないな」
と感じたなら
それは、変化の入り口に立っているサインや
心がこれ以上無理をしないためのサインかもしれません。

共依存や愛着の問題は、頭で理解するだけでは解決しにくい領域です。
心理セラピーは、安心できる場や関係の中で
自分の心を見つめ直し、傷付きを癒やしたり
自分を縛ってきた思い込みを少しずつ手放していくことをサポートします。
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では、また。
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